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月刊がん もっといい日Web版

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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
TEL.03-5688-7816
FAX.03-5688-7803


週刊がん もっといい日
2007年Vol.68
7月20日更新


Vol.68号の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ

@胃がん予防キャンペーン
連載―話題を追って
『ヘリコバクター・ピロリ菌の早期発見と除菌による胃がん予防の可能性』
第8回「ピロリ菌感染の有無を起点にした診断治療の時代」
これからの胃がんを含めた上部消化管疾患の診断治療には、ピロリ菌感染の有無を起点として「陽性者」「除菌者」「陰性者」の三つの視点からみた対応が重要に
取材協力:青山内科クリニック:胃大腸内視鏡/IBDセンター 青山伸郎院長

A おしゃべりをしたい患者さんへお医者さまからの呼びかけ
『闘病も人生。だからこそ自分の人生を輝かせて・・・
院内患者会の輪づくりに参加した体験記』
田中 祐次
(東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門助手)


BBOOK紹介

07年7月13日更新内容 全記事はこちら

エッセイストの岸本葉子さんを実行委員長として発足した、心温まる言葉を募った
「希望の言葉を贈りあおう」プロジェクトに約200点の作品が集まりました

『週刊がん もっといい日』編集部がご紹介した、エッセイストの岸本葉子さんを実行委員長として発足した、心温まる言葉を募った「希望の言葉を贈りあおう」プロジェクトに、がん体験者・家族のほか、医療者・一般市民を含む人たちからの約200点の作品が集まりました。
がん患者さんが、社会での共生を目指す「ホープ★プロジェクト」が主宰したもので、「心がほっと温まる、誰もがふんわり優しい気持ちになれる、そっとつぶやくだけで勇気がわいてくる希望の言葉(50字以内)をお寄せください」との呼びかけで、今年4月からスタートしたものです。
 希望の言葉には、岸本洋子さんのミニメッセ−ジが一つになってWebサイトで公開されることになっており、8〜9月には選考を終えサイト上で発表されるそうです。
この内容については、7月12日のNHK番組『視点・論点 岸本洋子「希望の言葉を贈りあおう」』(22時50分〜23時)で、寄せられた言葉6点が紹介され、再放送(NHK総合:7月13日16時20分〜16時30分)も予定されています。放送日以降、次のサイトにも、概要が載りますので、ご参照ください。www.nhk.or.jp/kaisetsu/
さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。


『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道

☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.68☆☆☆


胃がん予防キャンペーン
 連載―話題を追って
青山伸郎院長
『ヘリコバクター・ピロリ菌の早期発見と
除菌による胃がん予防の可能性』

第8回

「ピロリ菌感染の有無を起点にした
診断治療の時代」

これからの胃がんを含めた上部消化管疾患の
診断治療には、ピロリ菌感染の有無を起点として
「陽性者」「除菌者」「陰性者」の三つの
視点からみた対応が重要に


取材協力:
青山伸郎院長
(青山内科クリニック:胃大腸内視鏡/IBDセンター)

2007年春、兵庫県JR神戸駅前、阪急・阪神・山陽電鉄と連結する高速神戸駅上(神戸高速鉄道)に最新の医療機器を備えた内視鏡・IBDを中心とする消化器内科クリニックがオープンした。院長は、神戸大学医学部附属病院で助教授・内視鏡部部長を長らく務めてきた青山伸郎医師。これまで直接行ってきた内視鏡検査は上部消化管(食道・胃・十二指腸)3万例、下部(大腸)1万2千例、胆膵系は2千例を超え、休診日には顧問施設でESD(切開剥離法)など最新の治療を継続しているという内視鏡の第一人者に、若年層の早期のピロリ菌検査が、胃がんを含む今後の上部消化管疾患の診断治療にいかに重要な意味をもつのか話を聞いた。
ピロリ菌陰性時代に突入
ピロリ菌 年代グラフ

「これからは自分がピロリ菌の陽性なのか、陰性なのか早いうちに知ることが極めて重要になってくるでしょう」
青山医師がこう強調するのも、ピロリ菌の感染率は現在の50歳以上と以下では、大きくかけ離れているからだ。グラフは、1974年代から10年間隔で年齢別感染率を示したものだが、約10年前の94年のグラフをみると、40歳以上と以下では感染率の大きな差がはっきりと分かる。このことから言えるのは、現在の50歳以下の人たちに、これから多くみられるようになってくる上部消化管疾患の様変わりだという。
「50歳以下では、陰性者が陽性者を上回り、ピロリ菌陰性時代に突入する。これから問題となってくる上部消化管疾患は、ピロリ菌陰性関連疾患に移行しつつあります。ですから医療現場での診断治療は、ピロリ菌感染の有無を起点としてすすめるべき時代に入ったといえるでしょう。また胃がんに関して言えば、ピロリ菌陰性、ピロリ菌除菌例における“胃がんリスクの認識”が重要になります」


除菌しても残る胃がんリスク

 これまで連載のなかで取り上げてきたが、ここで陰性の人と除菌した人の「胃がんリスク」のポイントをあらためて挙げておきたい。
【ピロリ菌陰性者】
ピロリ菌を厳密に判定すると、生来、感染していない人からは、噴門部以外の胃がんの発症は極めて稀(ゼロであるとの報告もある。神戸大学で調べた際には0.2%)である。ただし萎縮から腸上皮化生を伴うと、ピロリ菌が自然に消失(既感染)しピロリ菌陰性に混在、最も胃がんリスクの高いグループであるので注意が必要である。

【ピロリ菌除菌者】
胃がんのリスク増大は除菌の段階で止まり、最終的に3分の1程度に減少すると考えられるが、決して陰性の状態に戻るわけではないので必ず定期的な内視鏡検査を受けるべきである。


強い胃酸による病気が増加

 では、ピロリ菌感染率の低下とともに、上部消化管の病気にはどのようなものが増え、また自分が陽性か陰性によってどのような病気のリスクが高くなるのか。青山医師が指摘する上部消化管疾患の移行を簡単にまとめると、次のようになる。
【移行する上部消化管(食道・胃・十二指腸)の病気】

★ピロリ菌関連疾患(減少)
○ 胃・十二指腸潰瘍
○ 噴門部(胃の入口付近)以外の胃がん(悪性腫瘍)
○ 胃腺腫(良性腫瘍)
○ マルトリンパ腫(リンパ節に似た胃粘膜組織に発生する腫瘍)
○ 過形成性ポリープ(萎縮粘膜に好発)


★ピロリ菌非関連疾患(増加)
○ 逆流性食道炎
○ バレット食道(元来、扁平上皮である食道粘膜が胃粘膜同様腺上皮組織になる)⇒食道腺がんに移行するリスクを有する
○ 胃底腺ポリープ(粘膜の萎縮がなく酸の分泌が盛んだと胃底部から発生)中年女性に多発し、がん化は零でピロリ陰性の指標
「ピロリ菌陰性の人は、胃酸の分泌が強い傾向があり、逆流性食道炎などの胃酸に関係する病気に罹りやすくなります。食生活の欧米化とともに、『胃がん・潰瘍時代』から『逆流性食道炎時代』に入ったといえるでしょう」
 ここで注意しなくてはいけないのは、ピロリ菌の除菌治療をした人だ。除菌により胃酸の分泌が活発になるので、胃がんのリスクを残しながらも、加えて陰性者と同じように逆流性食道炎などの病気にも注意してみていく必要がでてくる。
 このような理由から、これからの胃がんを含めた上部消化管疾患の診断治療には、ピロリ菌感染の有無を起点として「陽性者」「除菌者」「陰性者」の三つの視点からみた対応が重要になってくるのである。


 今回、取材させてもらった「青山内科クリニック」のような経験豊富で専門性の高いクリニックが、地域医療の充実のため、わたしたちの身近な場所に開設されることは、とても心強い。そこでオープンしたばかりの院内を、青山院長に案内してもらったので、写真で紹介しよう。

入口
「JR神戸駅」前のビル5Fにある
クリニックの入口


受付
ロビーの右奥にある受付カウンター。
この日は院長みずから出迎えてくれた


診察室
プライバシーが守られるように1室づつが個室になっている診察室。医師と患者様の椅子は同じもので
院長のポリシーがうかがわれる

内視鏡室
NBI搭載、経鼻対応内視鏡など最新の鏡機器を取りそろえている。内視鏡台は頭部分、足部分、上下、3方向可動で、移動も容易
ロビー
広くてゆったりくつろげるロビー。クラッシックBGMが院内全体に流れていて、とても医療施設とは思えない
ほどの明るい雰囲気
クリニックが発行している診察券。当院では院長が通勤に利用している阪急電鉄(あずき色)に近い
“えんじ”をイメージカラーにしている


尿素呼気試験
 ピロリ菌検査や除菌判定に使用される
尿素呼気試験測定機器


回復室は4室。十分な鎮静の場合は、内視鏡台ごと移動し回復チェアにする。軽い鎮静の場合はソファータイプを利用でき、個別にライトも点灯できるなど、随所にプライヴァシーに対する心配りが見られる。
更衣室と洗面所
更衣室と洗面所は、それぞれ男女別

洗面所には温水ウォシュレット、鏡台が備えられている。

★ 青山内科クリニック:胃大腸内視鏡/IBDセンター
(内科/消化器科)


〒650―0015 神戸市中央区多聞通3−3−9
TEL 078―366―6810   FAX 078―366―6811
公式HP : http://www.aoyama-clinic.com/

○ 消化性潰瘍に対するピロリ菌除菌(保険診療)
○ 消化性潰瘍を有しないピロリ菌除菌(自由診療)
○ 二次除菌などについても保険診療適応を遵守してピロリ菌に関するすべてに対応



田中 祐次さん
連載

おしゃべりをしたい患者さんへ
お医者さまからの呼びかけ


『闘病も人生。だからこそ
自分の人生を輝かせて・・・
院内患者会の輪づくりに参加した体験記』

田中 祐次
(東京大学医科学研究所探索医療
ヒューマンネットワークシステム部門助手)
4回目―院内患者会世話人連絡協議会の役割


■各地の院内患者会のメンバーがいて世話人同士が支えあって・・・

関西で行われた学会に参加したときに、一通の電子メールがやってきました。
「えっ!××(関西方面のとある県)なんですか?○○(その方の住んでいる県)から約一時間半です。先生に少しでも時間の余裕があればの話ですが、明日は日曜だし、会いに行きたいです」
ということで翌日の夕方に、メールをくださったご本人とご友人とご主人と一緒にお会いし4人で、いろいろ話をしました。それから約半年、メールや電話、そして一度、東京でもお会いし、ゆっくりですが、今年の6月に院内患者会が立ち上がりました。
一人の家族の方の情熱が周りを動かし、病院長や看護部長を動かしました。立上げの際には、批判を受けたりなど、大きなプレッシャーがかかっていた彼女に、「そんなに気負わなくていい」「参加者が少なくていい」(前号参照)などを、お伝えしました。すると、第一回目の院内おしゃべり会が開催される前に、こんなメールが、私あてに届きました。
「先生、ありがとうございました。私、強がっていましたが、ほんとはボロボロです。小さく生んで、大きく育てることを忘れていました。病院内の講堂を、会場として提供してくれる!と言っていましたが、カンファレンスルームなど、病棟に近い所を考えてもらいます。病院外の患者も受け入れてもらえるので、それなりの広さと考えたのですが、簡単に、を忘れず進めて行きます。先生、名前を忘れてしまったのですが(ごめんなさい)、東京に行ったとき、お会いした女医の先生を紹介してもらえないでしようか?メールでけっこうです。心を開ける女の先生になかなか出会えなくて・・・。私、もも先生は大好きなんだけど、先生に言えない、女同士にしか話せない秘密の話がありま〜す(*^_^*)。院内患者会世話人協議会の方々にはほんとうにお世話になってしまって・・・感謝です」
院内患者会世話人連絡協議会には、各地の院内患者会のメンバーがいて、世話人の方々同士が支えあっています。一人で苦しいときも、皆さんが支えあう、素晴らしいことだと実感しました。


■ホームページで「院内患者会設立マニュアル」が無料ダウンロード

10年以上も前から続いている院内患者会もあれば、ここ数年で立ち上がる院内患者会もあります。思いは、皆さん同じ。つまり参加する皆さんが、主役であることです。ただ昔立ち上げた方々の苦労や知恵などを分けていただくことで、これから立ち上げる方々のお手伝いができればと思っています。そして、それは立上げだけではなく、その後の運営も同じだと思っています。
院内患者会に、取材の申込みがありました。ある病院は取材を受けませんでしたが、別の病院は取材を受けました。どちらが良いとか悪いとかではありません。それぞれの院内患者会が、判断することだと思います。取材を受けた院内患者会は、その後、どういった手続きを経て取材、そして記事の掲載に至ったのか、その情報を皆さんで共有することで、次回に取材の申込みを受け入れた院内患者会が、対処などに関して非常に助かると思うのです。
もちろん取材を受けた患者会だけではなく、断った患者会もあるんだ、ということも、また皆さんに知ってもらいたいと思っています。そのために、院内患者会世話人連絡協議会では、よくある質問集(FAQ)を作成してホームページで公開しております http://www.medicina-nova.com。このサイトで、「院内患者会設立マニュアル」が無料ダウンロードできますので、ご活用ください。


■院内患者会連絡協議会は、院内患者会を開催している人、これからする人のための連絡協議会です
http://www.medicina-nova.com

■ ももの木はこちらhttp://plaza.umin.ac.jp/~momo/

■ お問い合わせはFAXください 03-3327-0577
■ もも先生とお話したい方はメールください tana-tky@umin.net



BOOK紹介
医療従事者が患者さんに、がん告知、治療法、再発・転移などを正確に伝えるための書
じほう社が『SPIKES-BC〜乳がん診療におけるコミュニケーションスキルを学ぶ』刊行

近年、「がんをうまく伝えられない」「頑張ってとか言ってしまう」「予後の話になると落ち着かない」等々、患者及び家族とのコミュニケーションに対する問題で悩む医師。では、どうしたらスムーズに説明することができるのでしょうか。
そんな医師の悩みに応えてくれる書が、『SPIKES−BC〜乳がん診療におけるコミュニケーションスキルを学ぶ』。SPIKESとは、「Setting」(適切な面談環境を設定する)、「Perception」(患者の認識を知る)、「Invitation」(患者がどこまで知りたいか把握する)、「knowledge」(診療情報を伝える)、「Empathy」(患者に共感を示す)、「Strategy&Summary」(方針を提示する)の頭文字をとった、アメリカで生まれた新しい考え方です。 
腫瘍領域で、「患者さんに、悪い知らせを円滑に知らせるには、どのようしたらよいか」といった問題意識が生まれ、コミュニケーションスキルとして、この6カテゴリーが提唱されました。
「医師は患者に、悪い知らせでも伝えなければならない立場にある。しかし、気が重いと感じるのも事実。外来で時間がとれない、うまく説明できないかもしれない、本人が落ち込むだろう、悪いのは自分じゃないなどだが、これらは医師の勝手な理屈。医師の責務を果たそうという意向が感じられない」
同書の製作に携わったチームSPIKES−BCの一人、浜松オンコロジーセンターの渡辺 亨医師は指摘します。
 とくに乳がん診療では、病名告知のほかに初期治療や術後薬物療法の選択、転移・再発、終末期医療への移行の告知、セカンドオピニオンの提供など、避けて通れない難しい局面が数多くあるとも、渡辺医師は言います。
「医師から患者への情報提供のなかで、もっとも大切なことは、患者とのやり取りを通じて、患者が何を知りたいのかを理解し、次に取るべき手立てを提供することなのです。さまざまな問題のかなりの部分は、情報提供スキル「SPIKES」を習得することで解決できると思います」(渡辺医師)
 本書は、とくに乳がん治療に照準を当てて、会話形式で「病名告知」「初期治療の選択(乳房切除術or温存手術、術前化学療法)」「術後の薬物療法」「転移・再発」「終末医療への移行」「セカンドオピニオン」に分けて、分かりやすく解説されています。チームSPIKES−BCメンバーは、渡辺医師のほか以下のとおり。
 福内 敦(三井記念病院乳腺内分泌科)橋爪隆弘(市立秋田病院外科)竹原めぐみ(自治医科大学乳腺・総合外科)井上由美子(三井記念病院看護部)
 医療従事者を対象として製作されたものですが、患者さんと家族にとっても、患者さんの正確な病状と治療方針、その後のこと等々、医師とのコミュニケーションづくりにも、大いに役立つ書といえましょう。B5判、本文104ページ。価格1800円(税別)発行所は株式会社じほうヴィスゴラス。照会先は株式会社じほう(03-3265-7751)。
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