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月刊がん もっといい日Web版

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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
TEL.03-5688-7816
FAX.03-5688-7803




週刊がん もっといい日
2008年Vol.95
2月8日更新


Vol.95号の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ

@統合医療最前線
体内の毒素を排出する「お血除去術」でがんの病状を和らげる
取材協力:蔡内科皮膚科クリニック蔡篤俊(さい・とくしゅん)院長

A連載
がんになった教師から生徒たちへのメッセージ
がんという病と闘い生きる姿、そして「命の不思議」と「大切さ」
友村忠(ともむら ただし)
第5回目 『直腸がんの摘出手術を受けた』


B連載
『がん患者さんの口腔ケア〜がん患者さん自身が注意すべき口腔内管理のポイント』
上津江歯科医院院長 渡辺欣哉

その6 『患者さんのQOLを高めるための口腔ケア』


CBOOK紹介

08年2月1日更新内容 全記事はこちら

たくさんの人々を優しく出迎えてくれる岡山県牛窓に育む“オリーブの丘”

つい最近、出席した結婚披露宴で「オリーブ」の話が出ました。平和のシンボルであること、人々の心を癒し健康と美を提供することで、たくさんの人たちの役に立っているオリーブを引き合いに出して、家族も訪問客も、常にホッする家庭づくりを話したものです。  
オリーブは、旧約聖書に登場してきます。乱れた世を正し、次世代の人類に未来を託した神さまが、ノアという高齢者に箱舟を作らせ大海に出航させます。これが「ノアの箱舟」ですが、何か月も何か月も荒れ狂うなか、「ノアの箱舟」から放たれた鳩が、世界の平和を取り戻した印として、口に1本のオリーブをくわえてきたことが記されています。
オリーブと言えば、何の変哲も無い地味な葉が、太陽に照らされると銀色に輝くところから、別名「銀葉樹」とも呼ばれています。オリーブばかりを描き続けた著名な画家、3000の薬局を組織したグループの主宰者は、オリーブの実から抽出したバージンオイルが健康と美に良いことから、何度もオリーブが生育する地に脚を運びました。
日本で生育されているオリーブは、小豆島が知られていますが、実は岡山県の牛窓に“オリーブの丘”があります。ソクラテス時代の種子が発見され同地で芽を出しスクスクと生育され、また、この丘が火事になり丸焼けになったとき、オリーブだけが生き延びました。火事を察知したオリーブは、根から水分を吸いあげて焼けるのを防いだとされています。 
いつか、本欄で山梨県上野原市にある日本有数の“長寿の郷”として、ゆづり原を紹介しましたが、ここには、いつも素晴らしい笑顔があり、とても心が癒されます。
牛窓も、人々の笑顔と健康と美を提供してくれるオリーブが待っていて、たくさんの人々の心を魅了しています。私も、この地に魅せられて何度も“オリーブの丘”を訪れました。
 服部和一郎さんという、暖かい心の持ち主によって開園された“オリ−ブの丘”。そこに優しく育まれているオリーブの木々の間からこぼれる輝きは、まさに銀色でした。
さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。

『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道

☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.95☆☆☆


蔡内科皮膚科クリニックの
蔡篤俊(さい・とくしゅん)先生
統合医療最前線

体内の毒素を排出する「お血除去術」で
がんの病状を和らげる

取材協力:蔡内科皮膚科クリニック
蔡篤俊(さい・とくしゅん)院長

プロフィール

1945年、台湾潮州生まれ。台湾中央警察大学卒業後、台湾T.C.I.A.勤務を経て1977年に千葉大学医学部入学、1983年卒業。1991年に順天堂大学精神科で医学博士号を取得。1993年、蔡内科皮膚科クリニックを渋谷区・初台に開業し、漢方医と鍼灸と現代医学との組み合わせによって患者の治療に当たる新しい医療を目指している。

東京・渋谷を縦断する京王線初台駅のすぐそばで開業するのが、蔡(さい)内科皮膚科クリニック(東京都渋谷区)。その待合には、平日の昼間からたくさんの患者さんで溢れています。院長は、台湾出身の蔡篤俊(さい・とくしゅん)医師。蔡院長が最先端の医療を学ぼうと千葉大学医学部に留学したのは、30年前のこと。以来、大学病院を転々としながら、最先端の西洋医学を学んだ蔡院長は、西洋医学を学べば学ぶほど西洋医学の限界を知り、漢方や針といった中国の伝統医学を取り入れる必要性を痛感してきました。現在、蔡医師は、針とカッピングを用いた独自の治療法「お血除去術」を開発し、がんをはじめアトピー性皮膚炎、生活習慣病を患う患者さんの治療にあたっています。


「癌」の字から読み解く病の成り立ち 

1993年に「蔡クリニック」を開業し、10年以上も、がんやアトピー性皮膚炎の患者さんを治療してきた蔡院長は、身体にがんが発生する成り立ちを、ユニークに解説します。
「まず、“癌”という漢字の形を思い浮かべてください。これは中国人が考えたものですが、癌という字をよくみると、三つの口に山、やまいだれから成り立っています。つまり、三つの口から好きなものを、好きなだけ山のように食べてきた結果、病となり、がんとなる過程が示唆されているのです」
日頃の食べすぎにより、取り込んだものが代謝しきれず、体のあちこちに毒素として蓄積された結果、がんもしくは心筋梗塞、脳梗塞が発生するのだと蔡院長は主張します。
加えて蔡院長は、がんになる理由として、「仕事や家庭の悩みによる“精神的ストレス”が大きな原因である」と指摘します。
「お金が欲しいという欲求からつい、自分の体力の限界を超えて働き続ける。これでは体が悲鳴を上げるのは当然です」
これらのことから、がんを治すためには、(1)欲やお金を捨てしっかり養生し、(2)肉類や魚、バター、チーズなどは食べず、(3)くよくよせずよく眠り、そして(4)体にたまった毒素を排出してあげること――が大事であると、蔡院長は主張します。


カッピングを使い体から毒素を吸引

蔡院長は、現代のがん医療で行われる標準治療(手術、抗がん剤、放射線)のうち、抗がん剤や放射線治療は体に毒を溜め込むだけという考えから、これらを否定しています。その代わりとして蔡院長が行うのが、針とカッピングを用いて体内毒素を排出する「お血除去術」です。お血とは、血液に汚れがたまり、循環が悪くなる状態を言います。
「すべての病気は、体のなかに毒素がたまることが原因となって引き起こされます。そこで当クリニックで行っているのが、カッピングによるお血除去術です。病気の患部やその周辺にたまっている毒素や毒素によって汚れた血を吸い出す治療法で、鍼と併用することで高い効果が得られます」(蔡院長)
 実際の治療では、まず患部に鍼を施術し、その後カッピングを行います。
「カッピングによって吸い出された血液は汚れ、濁っています。ニキビがつぶれたときに、脂肪と膿が混じり、濁った血が出てきますが、カッピングで出てきた血は、それよりも汚れていて、病気や症状が深刻なほど、吸い出される血も汚れ、悪臭を放つようになるのです」

治療風景
カッピングをつかった
「お血除去術」の様子


末期の肺がん患者が「お血除去術」で8年も延命

 同院では、この「お血除去術」に加え、漢方やハーブ、体の代謝をよくするお茶などを飲用してもらうことで、がんのほか、とくにアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬をはじめとする根治が難しいとされる皮膚病でも、非常に高い確率で完治する結果が出ているそうです。
「開業して10年以上たちますが、末期の肺がんの方で余命3か月と言われた方が、8年も延命されているほか、最近では乳がんの患者さんで卵大のがんがあった方に治療を行ったところ、治療後3か月して人差し指大にまでがんが小さくなるなど、病状が改善したケースはたくさんあります」と話す祭院長。
 がん患者さんには、週に一回、カッピング療法と鍼、灸を行うことで、5〜6回目あたりから効果が出はじめ、3か月間で病状が和らぐケースが多いそうです。「最大限の治療効果を出すためにも、できるだけ早めの受診をお願いしたい」と蔡先生は言います。
たまったお血
吸引された「お血」には、アレルギー因子など
たくさんの悪因子が含まれている

●蔡内科クリニック

〒151-0061
東京都渋谷区初台1-51-5-B1
電話:03-5371-0925
FAX:03-3378-8561
診療時間:午前9時半〜午後2時まで
休診日:月、日、祭日
ホームページ:http://www.tsaiclinic.co.jp/





連載

がんになった教師から生徒たちへのメッセージ
がんという病と闘い生きる姿、そして「命の不思議」と「大切さ」

友村忠(ともむら ただし)

<プロフィール>友村 忠(ともむら ただし) 
大学卒業後、みなと山口新聞で一年間記者を経て、福岡県の小学校教師となる。以後、福岡県中間市で教職をとる。 福岡県教育委員会の人権読本の執筆委員となり小学生用の副教材の執筆をする。「おばあちゃんの俳句」(識字教室での様子)、よしおのささぶね(地元教材)、絵本チマ・チョゴリの卒業式(制作スタッフ)などを作成。

第5回目 『直腸がんの摘出手術を受けた』

「大丈夫か、手術は終わったぞ・・・」
「・・・・・・」
闇だった。真っ黒な画用紙に、黒のクレヨンで塗り固めたような真っ黒な闇だった。  
突然、「大丈夫か、手術は終わったぞ」と闇を斜めに引きちぎり、兄の顔が薄明かりとともに飛び込んできました。
「忠、お願い、眼を開けて・・・」すがるような姉の声が聞こえました。
「ああ、生きていたんだ」と私は、頭の奥深い所でつぶやきました。
「大丈夫」と返事をしようとするが声が出ない。頭を動かそうとするが、まったく動かない。酸素マスクが付けられていて、口が動かせない。無理に開けようとすると、吐きそうになる。なんとか返事をしようとするが、全身が動かない。わずかに動くのは瞼だけ。薄くよみがえった意識のなかで、瞼を使って返事をしようと、私は思いつきました。
「手術はうまくいったから、心配するな」と言う兄の声が頭の奥底に響きました。全身を振り絞り、「ありがとう」と、一回瞼を動かし返事をしました。私は瞼を動かしながら、生きていたんだ、と涙をこぼしました。
「かわいそうに、こんな身体になってしまって」と、85歳になる、老いた母の押し殺した嗚咽が、私の耳元で聞こえてきました。
「大丈夫、大丈夫だ、生きてる」と繰り返し瞼を動かしました。兄が、瞼の返事に気がついてくれたのです。兄が、「手術は、うまくいった。安心してゆっくり休みなさい」と一言、一言、力強く語りかけてくれたことは、今でも記憶に残っています。
「うん」と私の動く瞼を見て、麻酔から意識が戻ったことに皆が気がつきました。安心したのでしょう。母がゆっくりと部屋から出ていく足音が遠くに聞こえていったのです。

「私は生きていたのだ、確かに生きたのだ」
手術は、9時間かかりました。直腸と大腸の一部をあわせて40センチ、そしてリンパ節をすべて切除しました。手術後、様態を見るために24時間をICUで過ごしました。ICUでは、時間の経過がまったく分からなかったのですが、ベッドの周りに引かれたカーテンの外の足音や、揺れたカーテンの隙間から差す明かりで、昼や夜を判断しました。
だが長く寝かさられていると、とても不安になります。その不安が、最後には妄想となり、胸のなかに、どんよりと沈んでいく。
「私が寝ているのは棺おけだ。誰一人来ないこの部屋は、死体安置所だ」とつぶやいたとき、カーテンがいっぱいに開けられ光が飛び込んできました。続いて看護師の力強い足音が聞こえ、「さあ、病室にもどりますよ」と声が響きました。ICUを出て再びエレベーターへ。
「私は生きていたのだ、確かに生きたのだ」
その自分の胸のなかで言葉が飛び跳ね、ぶつかり合いました。エレベーターの扉がゆっくりと開き、私は病室に帰ることができたのでした。


「手術は無事に終わったが声がでない・・・」
「これは、はずしておきましょう」と付き添いの看護師が、私が付けている酸素マスクを外してくれました。わずかに動く頭を持ち上げて全身を見と、なんと身体中からチューブが生えたように伸びています。チューブは、背中の麻酔を含めて全部で13本。「どのチューブが麻酔で、どれが抗がん剤なのだろうか。抗がん剤は何本必要なのだろうか」と、私の心は不安で押しつぶされそうになりました。
そこへ、執刀医とインターン二人が入ってきました。医師が「無事、手術は終わりました。すべて計画通りですよ」と笑顔で声をかけてくれたのです。
「ありがとうございます」と私は、ただ涙を流すだけでした。点滴を替えた看護師が、「クラスの子ども達のお守りが効きましたね」と棚の上のお守りを指さし、頬をゆるめました。
「本当にありがとうございます」と言いかけて、私は初めて気がつきました。声がまったくでません。言葉を発しているつもりでしたが、言葉になっていませんでした。
私は心のなかで、「大丈夫だ。医師が、手術はすべて計画通りにいったと言ってくれたのだから絶対に大丈夫だ」と繰り返しました。ですが、まったく声が出なくなっていました。私は即ナースコールを引きちぎるように、たぐり寄せたのでした。

<編集部からのお知らせ>

『がんになった教師から生徒たちへのメッセージ
がんという病と闘い生きる姿、そして「命の不思議」と「大切さ」』を連載中の友村 忠さんのホームページ『友村 忠の迷い道』が開設されました。URLは次の通りです。
http://www.hpmix.com/home/tocotoco/




連載

『がん患者さんの口腔ケア〜がん患者さん自身が
注意すべき口腔内管理のポイント』

上津江歯科医院院長 渡辺欣哉

その6 『患者さんのQOLを高めるための口腔ケア』

<再発がんと二次がん>

化学療法、移植、放射線療法のいずれかによってがんから回復した人では、後になってから二次がんを発症するリスクが高くなります。そのなかでも、口腔扁平上皮がんは、移植を受けた患者さんに発生する二次がんでは、最も多くみられるものです。唇と舌が最も発生しやすい部位となっています。

<心理社会的問題>
口腔合併症は、とくに社会的側面において、がんの患者さんに難しい問題を引き起こすことがあ
ります。口腔合併症によって摂食や発話に支障が生じることで、家族との食事や外食ができなくなったり、あるいは嫌になったりする場合があります。
イライラするようになったり、内にこもるようになったり、抑うつ状態に陥ったりして、人との交わりを避けるようになる患者さんもいます。うつ病の治療に用いられる薬物には、口腔合併症を悪化させる副作用のあるものがあり、そうしたものは、このような患者さんには使用できません。(さらに詳しい情報については、PDQの不安障害とうつに関する要約をご覧ください)
がん治療による口腔の問題を抱える患者さんには、情報の提供や支持的なケア、その症状に対する治療が重要になります。ここでは、患者さんの痛み、対処能力、治療への反応などが注意深く観察されます。医療提供者と家族が、支持的なケアを提供していけば、患者さんのがんとその合併症に対処していく力を高めていくことが可能です。

<小児に対する特別な配慮>
大量化学療法や頭頸部への放射線療法によって、小児がんから回復した小児に特有の合併症として、歯の成長と発育における変化があります。歯の大きさや形状に変化が生じたり、歯の萌出が遅れたり、頭部や顔面部の発育が、不十分なままとなったりすることがあります。
歯の成長と発育に変化が生じている患者さんに対する歯列矯正治療の効果とその適切な実施時期については、現在研究段階にあります。成功を収めた治療法もいくつかありますが、標準的なガイドラインが確立されるまでには、まだ至っていません。

☆歯科医院受診時の注意事項☆

1.できるだけがんの主治医から、医学的データを歯科医師に提示する。必要か必要でないかは、主治医、歯科医師が判断します(患者さん自身が判断しないでください)。
2. できれば、かかりつけ歯科医師を持っていると便利な場合が多いです。
3.ケースによっては、口腔内清掃のみで体力温存療法に切り替える場合がでてきます。
3. 予防的処置のため、一般の方ならば保存する歯牙でも、抜歯する場合があります。 
4. 入院時には、がん治療担当の医師が管理することになりますが、歯科分野にも症状が及ぶ場合には、電話連絡でも結構ですから相談してください(主治医の許可を得て)。
5. 原則として、歯科医師が直接、がんの治療をすることはありませんが、口腔内処置において必要な判断を下す際には、必ず主治医の了承を受けますから、患者さんはあまり気にしないでください。
6. 口腔以内症状は、患者さんが表現する際に困難な場合がありますから、メモや録音するなどの手段を使用してください。また看護師さんや家族の方に、伝えて置いてください(患者さん自身の意識があるとは限りません)。
7. がん療法の副作用による場合には、ある程度、主治医の先生が予測できる場合がありますから、しっかり説明を受けてください。
8. 安易な代替医療や民間療法は、治療の妨げになる場合がありますから、必ず主治医の許可を受けてください(とくに在宅治療時)。
9.入れ歯や被せている歯は、特定の期間処置できない場合があります。処置の時期を歯科医師と主治医が決定するまで、がまんするケースもあります。
10.在宅宅療法をされている場合には、症状の急変時には主治医の指示を受けてから、担当の歯科医師に受診してください。歯科医師では、対応が困難な場合も予測できます。
11.主治医も担当歯科医師も、患者さんの要求にこたえられない場合には、その方面(癌治療の副作用や後遺症など)の専門家が必ずいますから、インターネットや雑誌などの情報をいつも調べる用意をしてください。

*口腔内はきれいにすれば良いとは限らない場合も出てきます。素人判断で磨きすぎや漱ぎ過ぎ・消毒薬の多用によって、症状が悪化する場合もあります。

本当は、がんの主治医のいる病院に歯科・口腔外科が併設されていると理想的ですが、通院が困難であったり併設されていない場合がありますから、普段から歯科医師に全身状態をデータとして理解してもらってください。
口腔領域は、専門性が高い部分が存在しますから、自己判断は苦痛の継続や副作用の激化、後遺症の長期化が起こることもあります。


<病棟における口腔ケア>

病棟における口腔ケアは、単に歯の清潔維持を目的としたケアではなく、誤嚥性肺炎や菌血症、放射線化学療法による口内炎等を予防する感染対策が目的です。そして、このような特別な口腔ケアを必要とする患者さんに対しては、マンパワーをかけずに効果的に実施することが重要です。

<口腔ケアで予防効果が期待できる疾患>
(1)術後肺炎:侵襲の大きな消化器や、呼吸器の手術後に発症する肺炎で呼吸機能の低下した方や、高齢の方に多い。口腔内細菌の関与が大きい。
(2) 誤嚥性肺炎:食物や唾液とともに、口腔内の細菌が気管に侵入して引き起こされる。脳血管障害・頭頸部手術後に後遺症として出現。また、ICU入室患者では、年齢にかかわらず人工呼吸器関連肺炎(VAP)として高頻度に発症する。
(3)感染心内膜炎:先天性心疾患や、弁膜症などの手術を受ける方に発症することがある。口腔内の細菌が原因となることが多い。
(4)菌血症:血液中に細菌が存在する状態で、あらゆる臓器に感染を起こす可能性がある。免疫の低下した方に起こる病態で口腔内の細菌も原因となる。
(5)重度口内炎:血液疾患や、化学療法や放射線療法などに伴う口内炎。

口腔ケアを行うことで病状を軽くすることが可能に
口腔ケアを効率的に行うには、1日3回という従来の流れよりも、日勤の自由な時間帯に1日に1回ある程度十分な時間をかけて口腔ケアを行い、それ以外は保湿のみか簡単なケアを心がけることが良いと思われます。
そして入院前後においては、地域歯科資源を十分活用し、入院中には口腔ケア用品を利用することでマンパワーが削減され効果的な結果が期待できます。すなわち看護師はケアの判断力とスキルを向上させることが、患者のQOLを向上させると考えられます。



BOOK紹介
口もとからの美容と健康

 がんに対する、さまざまな治療法が開発されていますが、その一方で、がん治療が原因で、重篤な口内炎などの疾患が口腔内に発症、がん患者さんのQOLを阻害するケースが増えています。では、どのような対策が必要でしょうか。つい最近、がん患者さんの口腔ケアをテーマとしたセミナーが開催され、がん患者さんの治療に伴い、口腔ケア対策が不可欠なことが明らかにされました。
『口もとからの美容と健康〜ごぞんじですか?歯と全身の関係』は、歯科医師として、実際に診療に携わってきたなかで、経験上、患者さんにアドバイスをした内容をまとめた書。
歯科医療は、一般の人たちとの生活の接点が大きい部分です。モノを食べるとき、健康な歯で咀嚼して栄養を摂取しますが、この機能が何らかの原因によって、口腔内に口内炎などの疾患が発生し、食事を十分に摂取することができなくなれば身体の免疫力は、低下します。
 例えば、がん患者さんが、もしこのような事態に遭遇したときには、免疫力の低下で、がん細胞が増殖し、かえって症状が重くなるケースは少なくないそうです。本書は、がん患者さん対象に記されたものではありませんが、歯科医療に対する基礎知識、なぜ歯科医療が重要視されなければならないのか、口内環境の問題点等々、歯科医師の立場から、健康になるための手法を解説。「“病は口から・・・”の意味を知ってほしい」と著者の渡邊欣哉歯科医師は指摘しています。
 もぐら書房刊(096-364-3823)。A4判、本文222ページ、定価998円+税48円
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