トップページ おすすめホームページ イベント情報 がん関連リンク
がんにかかわる情報の配信ページです
放射線治療施設一覧 ホスピス・緩和ケア病棟施設一覧

月刊がん もっといい日Web版

検診・治療Data File

このホームページに関するご意見・お問い合わせはyamamoto-iihi@gekkan-gan.co.jpまで

『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
TEL.03-5688-7816
FAX.03-5688-7803




週刊がん もっといい日
2008年Vol.96
2月15日更新


Vol.96号の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ

@治療最前線
被験者の侵襲を最低限に抑えることで
日帰りでの前立腺針生検を実現――
取材協力:木村泌尿器皮膚科(横浜・都筑区)木村明院長

A連載
がん患者さんからの投稿エッセイ
『さっちゃんのがん物語』
「がんは人生の軌道修正の切り札、チャンスなのだから・・・」───佐藤幸代
第11回 『退院後の療養生活』

B連載
『がん患者さんの口腔ケア〜がん患者さん自身が注意すべき口腔内管理のポイント』
上津江歯科医院院長 渡辺欣哉

その7 その7 『がん治療と歯医者の関係』


CBOOK紹介

08年2月8日更新内容 全記事はこちら

家庭に居ながら中国漢方が学べる中国漢方通信講座が開催中

3000年以上の歴史を持つ中国伝統医学。食べ物や運動、睡眠にも気を配り、病気の兆しが見えたら、天然の生薬(漢方薬)を使うという、人間が本来もつ自然治癒力を高め、病気の予防を重視するナチュラルな医学として人気がありますが、この中国漢方を、家庭に居ながら学べる通信講座が開講中です。
中国漢方の基本的な考え方や、漢方薬による病気の治し方が、家庭で誰もがやさしく習得できるもので、主催は、日本に中国漢方を普及する東西中医学院。講師は、川瀬清氏(東京薬科大学名誉教授)、猪越英明氏(東京薬科大学准教授・医学博士・薬剤師)、林 建豫氏(元武漢同済医科大学付属病院医師)が担当し、基礎理論、治療の原則と方法、生薬素材と漢方処方など、基礎からステップを踏み6部構成のテキストに基づいて行われています。受講期間は6か月。
講座を監修する薬剤師で家庭中国漢方普及会代表の猪越恭也氏(長春中医薬大学客員教授)は、「中国漢方は、決して専門的な難しい医学ではありません。家庭の医学として活用したい日常の知恵・・・」と語っています。
 詳細は、http://www.tozai-tcmschool.co.jp/で。
 ちなみに中国漢方を学んだ薬剤師が常駐し相談に乗ってくれるのが、かわいいパンダ人形を店頭に掲げる薬局です。ご存知でしたか?
 さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。

『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道

☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.96☆☆☆

治療最前線

被験者の侵襲を最低限に抑えることで
日帰りでの前立腺針生検を実現――

取材協力:木村泌尿器皮膚科(横浜・都筑区)木村明院長
木村明医師

プロフィール

きむら・あきら
1953年5月23日、広島県府中市生まれ。東京大学医学部卒業。東大病院、東芝中央病院、三井記念病院、都立駒込病院、青山病院、東京共済病院等への勤務を経て、2005年に木村泌尿器皮膚科を開業し院長。医学博士。

食の洋風化を背景に、増加を続ける前立腺がん。近い将来には、男性の場合、肺がんに次ぐ罹患率に達するものと見られている。しかし前立腺がんは、進行の遅いがんとしても知られており、早期で発見することができれば、きわめて高い確率で治療が可能となる。初期においては、ほとんど自覚症状を持たない前立腺がんだが、腫瘍マーカー(PSA)による精度の高いスクリーニングと、その後の的確な確定診断法が確立されたことにより、早期発見の確率も高くなってきている。そんななかで、多くの医療機関が経直腸的針生検の本数を増やす傾向にあるのに対し、最小限度の6本という少ない針生検で、被験者の侵襲度を最小限に抑えながらも確実性の高い日帰り検査を行っている泌尿器科医がいる。横浜・都筑区にある木村泌尿器皮膚科の木村明院長に話を聞いた。


■最小限の侵襲で精度の高い検査を目指す

 木村医師が、現在のクリニックを開業したのは2年前のこと。それまでは、都内の大規模病院に勤務していた。博士論文のテーマには「前立腺がんの超音波診断」を選び、エコーやMRIなどの画像診断を特に得意とする木村医師。開業後もそうした技術を生かした、がんの早期発見と診断に力を入れている。
 とくに木村医師が、「入院設備を持たないクリニックならではの簡便で精度の高い検査法を」と考え、実施している前立腺がんの経直腸的針生検術は、被験者の受ける身体的負担の小ささから、クリニックにおける検査法の一つのあり方として注目されている。
「針生検で刺す針の数は、基本的には6本以上とされてはいるものの、実際には少ない医療機関で8本、現状では12本の針を刺すところが多く、大学病院の中には26本も刺すところも出てきました。もちろん多く刺せば、それだけがん組織を捕える確率は高まりますが、患者の身体的なダメージも大きくなるので、どうしても入院が必要になります。そこで、最小限の侵襲で精度の高い検査を目指すことにしたのです」と木村医師。その方法とは、こうだ。
 基本的な検査の方法は、従来型の経直腸的前立腺針生検法と変わらない。抗生物質を点滴投与し、仙骨ブロックによる局所麻酔(1%キシロカイン10mlを硬膜外腔注入)をかける。そのうえで、肛門から超音波探子を挿入し、モニターに映し出される画像を見ながら穿刺していく。このときに木村医師は、前立腺の内腺には針は刺さずに、尿道から遠い外腺の、しかも経験的にがんの発症しやすい好発部位だけを狙って組織を採取していく。
「外腺だけに限定するのは、内腺に穿刺をすると血尿を伴う危険性が高いことと、内腺にのみ、がんが限局して発症するケースは極めて稀なため。外腺のなかでも『ここは!』という場所があるのですが、それは26本生検している大学病院の研究結果から勉強します。開業しても、学会や研究会にはできるだけ参加するようにしています。とはいえ、6本の穿刺で不十分な結果に終わることはまずありません」と胸を張る。
 検査そのものにかかる時間は、およそ10分程度。その後、被験者には、30分ほど休んでもらい、採尿して出欠の有無を確認。問題がなければ帰宅となる。生検後数日で尿に血が混じることはあるが、これは、時間の経過とともに自然に治まる。また検査後は1週間、抗生物質の内服を続けることになる。
多くの病院では、この検査だけで2泊3日の入院を必要としていることを考えれば、働き盛りに多い疾患だけに、クリニックでできる日帰り生検の意義は小さくないといえよう。


■4割の被験者にがんが見つかり、その大半が早期だった

 木村医師のクリニックで、これまでに行われた経直腸的前立腺針生検は、約100件。そのうち4割の被験者に、がんが見つかったが、その大半が早期だった。いずれも、PSA検査によるスクリーニングで、陽性反応だった被験者を対象とした確定診断のための生検だったが、同クリニックで前立腺がんが見つかった場合は、医療連携を取る横浜労災病院などの後方支援病院に紹介され、術後のフォローアップは逆紹介のうえで、木村医師が担当することになる。
クリニックから必要に応じて病院へ、そして再度クリニック――という理想的な病診連携の流れのなかで、被験者は効率のよい医療を受けることができるのだ。
「生検の痛みが最小限で済むことは、この検査法の大きな特長。これまで生検の痛みが原因で検査を中断したり、中止したことはありません」と木村医師。単に日帰りというだけではなく、品質という面においても被験者にとって大きなメリットとなっている。
 こうしたことができるのも、木村医師の豊富な経験によるもの。長年にわたって、大規模病院で多くの生検を行ってきたからこそ、僅かな穿刺で確実性の高い検査が可能となる。そうしたことは、患者や被験者も知っている。というのも同クリニックを訪れる人の多くは、木村医師を紹介するメディアやネット情報を見て、その存在を知るケースが多いからで、それだけ勉強してから受診する人が多いというわけである。
横浜市内はもちろん、東京や埼玉など県外から訪れる人も多く、病院ではない、入院病床を持たないクリニックとしては、きわめて広範囲な医療圏ということができるが、それだけ、「入院せずに検査を受けたい」という被験者側のニーズが高いということが言えるのだ。
 日帰り手術の隆盛を見ても明らかなように、検査にも日帰りの需要は小さくない。しかもそれが、ハイクオリティで実現するのであればなおさらだ。今後、確実に増加する前立腺がんによる犠牲者を少しでも減らすためには、こうしたクリニックレベルでの取り組みが不可欠となってくる。木村医師の挑戦にかかる期待は、大きい。


◇ 木村泌尿器皮膚科

〒224-0032
横浜市都筑区茅ヶ崎中央51−1−4F
電話:045−949-3066
ホームページ:http://www.akira-kimura.com/






がん患者さんからの投稿エッセイ

『さっちゃんのがん物語』
「がんは人生の軌道修正の切り札、
チャンスなのだから・・・」
───佐藤幸代


佐藤幸代さん

四万十川ユースホステルの門(入り口)お客さんと記念写真

第11回 『退院後の療養生活』

退院の日帰る途中、実家の近くで両親と花見をしました
☆手術後18日目(2006年3月31日)いよいよ退院!

 まだ術後の痛みや食事のリハビリなどの問題があって、病院から離れるのはとても不安でしたが、退院できるのはやはり嬉しいものです。退院後、もしもの異常時には、すぐにがんセンターへ駆けつけられるよう、しばらくの間は、高知(四万十川)へ帰らずに、療養生活のフォローを東京の妹家族に頼ることにしました。
 退院の日は、両親が車で迎えに来てくれて、妹家族のマンションまで送ってくれましたが、国立がんセンター東から日野市の妹家族のマンションまでは、高速でスムーズにいっても1,5時間はかかります。この日は、渋滞で4時間以上もかかってしまいました。

 術後、初めての長時間の車による移動は、かなりこたえました。それでもバスや列車で4回も乗り換えるよりは、車の方が楽なのですが、まず狭い所で同じ姿勢を保つだけでも大変で、車の振動がまた痛みに響くのです。とくに、高速道路のつなぎ目の規則的なガクンガクンという振動が、創部の痛みにかなり響いたので、体中が固まってしまいました。
それでも、国立インターを降りてから、国立の大学通りの桜が満開だったので、立ち寄って、お花見をすることができました。フラフラとおぼつかない足取りで車から降りると、実家の近くで見慣れた大好きな景色が目に入り、今年の桜に間に合って帰って来られた喜びを実感できたのです。


☆妹の献身的な介護

 病院のベッドは、ボタン操作でリクライニングが可能ですが、家の布団は、それができないので、マットの下に布団を入れて、頭を45度位高くします。平らな所では、創部痛や胃液の逆上があって寝られないのです。
 退院したばかりのときは、お腹に力が入らずに痛みも強かったので、頭を高くしても自分で起き上がることができず、布団から起き上がるときは、毎回、妹に首を支えてもらいながら腕を引っ張って起こしてもらっていました。

四万十川の桜

 枕元には、ポットに温めたスポーツドリンクとティッシュとビニール袋が置かれ、妹が頻回にポットの中身や袋を交換してくれたり、私の動きや表情の変化を見逃さず、痛そうにしていると、「お姉ちゃん、痛みがひどいの?坐薬使う?」など、すぐに声をかけてくれるのです。
食事の世話から身の回りの世話、温度や湿度の空調まで気を使ってくれて、病院にいるよりも安心で居心地良く、本当に有り難いことでした。
 退院当初は、まだ痛みが辛くて、痛み止めの坐薬を使っておりました。痛い顔をして眉間にシワを寄せていると、そのうち眉間のシワが顔に刻み込まれてしまうし、周りの空気を暗くしてしまうと思いました。
そこで痛くて辛いときは、わざと目をまん丸く見開いて笑顔をつくり、大きな声で「痛い!痛い!」と言いながら甥っ子を追いかけ回して遊んだり、昼間からお風呂を沸かしてもらい温浴して痛みを凌いでいました。
そのお風呂も、私が痛みを訴える間もなく、妹がいち早く私の痛みを察知してくれて、先にお風呂の準備をしてくれるのです。妹は、雨が降る前や降ったときなど、低気圧で湿度が高いと痛みが強いことを覚えていてくれて、その都度、私が少しでも楽になるように配慮してくれましたし、散歩をするときも、妹が必ず一緒に付き合ってくれました。
当初は、マンションから裏の浅川の土手沿い数百メートルを、やっとの思いで往復していましたが、ちょっと歩いただけで、すぐに息切れして疲れてしまいました。70代のお婆さんにも、簡単に抜かされてしまうほどのじれったい私の歩調に合わせて、妹はよく付き合ってくれたと思います。

☆食事のリハビリ

 食事のリハビリは、予想以上に過酷で辛いものでした。退院時の食事指導の際に、「1口はスプーン1杯ではなく、耳かき1杯と考えてください」と言われましたが、その1口の量が少しでも多くなってしまうと、動悸、息切れで七転八倒します。
よほど気をつけないと、たった1口の飲み込みで、30分〜1時間以上何も手につかなくなってしまうほど苦しんでしまうことがあるのです。そのため、食べることが怖くなってしまいます。でも食べなければ、体力もなくなって動けなくなってしまうので、しばらくの間は、食事のリハビリで、随分と苦労しました。
四万十川の菜の花

 私の場合は、喉頭切除が免れるギリギリの所で再建した胃が喉に繋がっているので、特別なのかも知れませんが、食べたり飲んだりすると、必ず胃液や唾液の気泡が上がってきてしまいます。食べた物も一緒に上がってきて、それが誤って気管に入り、激しく咳き込み、ときには呼吸困難となってしまうのです。
最初の頃は、泡や食べ物が上がってくるタイミングや勝手がつかめず、頻繁に呼吸困難に陥っていました。呼吸困難というのは、咽せ込んだときに、咳をして息を吸おうとする瞬間に喉まで上がってきた食べ物が、また気管の方へ入ってしまうという、悪循環で息が吸えなくなって苦しむことです。
 こうなると、せっかく食べた物もほとんど吐き出してしまいます。咳き込むと、かなり体力を消耗するので、やっと落ち着いたときには、グッタリとなって低血糖症状を引き起こすこともあります。呼吸困難に陥らないためには、食事の際に集中しなければなりません。食事は真剣勝負なのです。
 退院したばかりのときは、小松菜やほうれん草のお浸しをミキサーで泥状にしたり、玄米粥や豆腐、すりゴマ、納豆をよく噛んで口のなかで、泥状にして飲み込んでいました。みそ汁などの汁物は、むせやすいので、片栗粉でとろみをつけたりして工夫をし、離乳食の様な食事少量を2時間もかけて食べていました。


 食べ物が腸へ落ちていくまでは、横になることができません。それでなくても、軽い物は泡と一緒に上がってきてしまうのですから・・・。
 腸に落ちやすい食べ物は、大豆やご飯や玄米などの重いもの。水に浮かぶような、例えばパンやカステラは、どんなによく噛んでも、やはり上がってきます。とくに、はんぺんを食べたときは最悪でした。飲み込んでも、喉から下に下がっていかないのです。そしてそれが、気管を塞いで呼吸困難になったので、はんぺんは大好きだったのですが、食べられなくなりました。
退院当初の食事

 納豆も、意外と、ひきわり納豆よりも大粒の納豆の方が、口のなかで泥状になりやすいのです。ひきわり納豆の粒を、噛み粉せないまま誤って飲み込んでしまい、それが喉の途中(胃で再建した食道内側の縫い目の狭窄部位)で引っかかって、その何とも言えない異物感で長時間、不快な思いをしました。
 呼吸困難に次いで、この異物感も、実はくせもので、私の場合は、胸部の心臓に近い所が狭くなっているのか、飲み込んで喉は通過できても、いつも胸のあたりで、もう一度痞えます。
イチゴの種の極小さな粒でさえ、喉に引っかかるのですが、当初、はんぺんは諦めましたが、イチゴだけは諦めきれず、なるべく種の少ないイチゴを買ってもらって1粒ずつ、針でチマチマと種を除いて食べていました。
こんな風に、食い意地が張っていたお蔭で、何とか少しずつ食べることにも慣れていきました。食べるときは、真剣勝負とはいえ、慣れてくると、つい家族で和みながら食事をしてしまいます。その方が、楽しく食べられて良いのですが、そのうちに自分の今のペースを忘れて、つい手術前の時のペースに戻ってしまうのです。
無意識になった瞬間に、思わずむせ込み、またあるときは、笑いすぎてむせ込んだり、驚いたり、何かの弾みで咽せ込んだりしました。
そのたびに、家族みんなで私の背中をさすったり、吐き出したモノを除いたり、私が楽になるまで、みんなが協力して助けてくれるので、本当に有り難かったです。

☆☆☆四万十川ユースホステルから(の呼びかけ)☆☆☆

「高知県野菜健康プロジェクト」に便乗して、四万十川ユースホステルでは、高知の野菜ソムリエ(TKJ001008佐藤幸代)が作った「ベジフル薬膳」(要予約)を始めました。
今、注目されているのが、「メタボリックシンドローム」。健康のために野菜を1日・350g以上食べることに国を挙げて取り組んでいます。
高知県でも、県の野菜や食文化について学んだ「高知の野菜ソムリエ」が、2007年1月に誕生し、県民1人当たりの野菜摂取量増加に向けた取り組みを行い、「高知県の野菜の消費拡大」及び「県民の健康増進」を推進しています。
「ベジフル薬膳」は、高知産の旬の野菜を中心に、1日350g以上野菜を摂れるように作った野菜中心の健康的なメニューです。この1食で、緑黄色野菜が、なんと約381g摂れます。「玄米菜食薬膳」(要予約)もできます。ぜひ、お試しください!

http://www.gallery.ne.jp/~yh40010/yakuzen1.htmlを、ご欄ください。

■四万十川ユースホステルへようこそ!
http://www.gallery.ne.jp/~yh40010/canueh.html

■佐藤幸代さんのブログURL
http://shimantoyh.seesaa.net/




連載

『がん患者さんの口腔ケア〜がん患者さん自身が
注意すべき口腔内管理のポイント』

上津江歯科医院院長 渡辺欣哉

その7 『がん治療と歯医者の関係』

平成18年、歌手の本田美奈子さんが亡くなりました。急性白血病でした。その闘病生活で、大変辛かったことのなかに口内炎をあげています。
彼女は、抗がん剤の副作用のため、口のなか全体に口内炎ができて、食事をとることも難しい状況になったのです。このような副作用を予防したり治療したりするのが、われわれ歯医者の役目です。

がん治療における歯科医の役割は重要になってきた
がん治療における歯科医の役割は、非常に重要になってきています。それは、がんが不治の病だった頃に比べ、治療の発展とともに、治療前後のQOL(生活の質)を求められるようになったからです。がん治療において、歯科医が必要な理由は、主に次の四つです。

(1)口腔内合併症

抗がん剤、幹細胞移植、頭頸部癌に対する放射線治療による口内炎の治療や予防をします。放射線照射時に使うスペーサーなどを作ったりもします。

(2)手術における感染予防

歯周病菌などの口腔内細菌の創感染、肺炎の発症を予防するため治療前後の口腔ケアが必要です。

(3)ターミナルケアにおけるQOLアップ

末期の患者さんは、食事をおいしく取りたいという希望がとても多いため、入れ歯を治したり、お口をきれいにすることで、最後までいつも通りの食事を摂れるように手助けをします。

(4)摂食嚥下リハビリテーション

頭頸部がんや消化器系のがんでは、術後に普通通りに食べられるように、リハビリが必要です。このとき、誤嚥などを起こさないように、顎義歯を作ったり、口腔ケアを行ったりします。



左が口腔ケア前の写真で、右が口腔ケア後の写真



BOOK紹介
口もとからの美容と健康

 がんに対する、さまざまな治療法が開発されていますが、その一方で、がん治療が原因で、重篤な口内炎などの疾患が口腔内に発症、がん患者さんのQOLを阻害するケースが増えています。では、どのような対策が必要でしょうか。つい最近、がん患者さんの口腔ケアをテーマとしたセミナーが開催され、がん患者さんの治療に伴い、口腔ケア対策が不可欠なことが明らかにされました。
『口もとからの美容と健康〜ごぞんじですか?歯と全身の関係』は、歯科医師として、実際に診療に携わってきたなかで、経験上、患者さんにアドバイスをした内容をまとめた書。
歯科医療は、一般の人たちとの生活の接点が大きい部分です。モノを食べるとき、健康な歯で咀嚼して栄養を摂取しますが、この機能が何らかの原因によって、口腔内に口内炎などの疾患が発生し、食事を十分に摂取することができなくなれば身体の免疫力は、低下します。
 例えば、がん患者さんが、もしこのような事態に遭遇したときには、免疫力の低下で、がん細胞が増殖し、かえって症状が重くなるケースは少なくないそうです。本書は、がん患者さん対象に記されたものではありませんが、歯科医療に対する基礎知識、なぜ歯科医療が重要視されなければならないのか、口内環境の問題点等々、歯科医師の立場から、健康になるための手法を解説。「“病は口から・・・”の意味を知ってほしい」と著者の渡邊欣哉歯科医師は指摘しています。
 もぐら書房刊(096-364-3823)。A4判、本文222ページ、定価998円+税48円
------------------------------------------TOPに戻る


Copyright 2001 Japan Medical Information Publishing, Inc. All Rights reserved.