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週刊がん もっといい日
2012年Vol.289
2月24日更新


Vol.289の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ
●クローズ・アップ
『亀田総合病院リハビリテーション事業部による南相馬復興支援』
理学療法士 山本喜文
(2012年2月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会発行 http://medg.jp)


●セミナー・イベントのお知らせ

12年2月16日更新内容 全記事はこちら

日本マクドナルドが東京マラソン2012のランナーとそのファミリーをサポート!
ファミリー限定の応援スペース「マクドナルドファミリーチアリングブース」設置します

 マスコミに向けて日本マクドナルド株式会社からニュースリリースが届きました。リリースの内容は、2月26日(日)に行われる国内最大の市民マラソン「東京マラソン2012」に、マクドナルドファミリーチアリングブースと称した、ランナーのファミリー100組が応援できる特別なスペースをフィニッシュ直前のポイントに設置し、ランナーとファミリーをサポートすることが記されていました。
 「日本マクドナルドが同大会のボランティアスポンサーへの就任を機に、ボランティアだけでなく、ランナーやそのファミリーにもマクドナルドらしいホスピタリティをもってサポートしたい」(同社)との思いから設置されるもので、東京マラソン史上初の試み。
 200万人の観衆のなかからランナーを応援するファミリーを見つけられるポイントとして、また3万6000人の参加者からランナーを見つけて応援できるポイントとして、事前の応募者から抽選で選ばれたランナーの子供(5歳〜10歳)と保護者100組が、ブースで応援することができます。
 同社によれば、「フィニッシュ直前の、ランナーが一番苦しい時にファミリーからの応援をしっかりと確認してもらえるよう、高台のテラスとなっており、応援するファミリーは、設置されたパソコンでランナーのナンバーカードや姓名で5kmごとの通過ポイントとタイムがわかるようになっております。さらに、お子さまが楽しめるよう工作スペースも設置しており、ゴールしたランナーにお子さまから手づくりプレゼントなどを作ることができます」とのことです。
 例年、多くの人々が走る東京マラソン。応援する家族にとっても、思い出多いイベントです。今年は、どのようなシーンがあるでしょうか。

 さて今週もまた、皆様にとって「もっといい日」でありますように・・・。

『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道





☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.289☆☆☆


クローズ・アップ

『亀田総合病院リハビリテーション事業部による南相馬復興支援』

理学療法士 山本喜文

(2012年2月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会発行 http://medg.jp

 震災後の2011年9月に、南相馬市立総合病院より、「医療スタッフが激減したため医療復興計画の一環として、避難している患者の受け入れや訪問リハビリなどの展開をはかるために、亀田総合病院にその力を借りたい」と依頼が来ました。南相馬市立総合病院(230床)は、福島第一原発から北に23kmの位置にある中核病院です。
 亀田総合病院リハビリテーション(以下リハビリ)スタッフには9月28日に「緊急打診!!」と出向依頼のメールが当院リハビリ事業管理部長より送信されました。私は岩手県盛岡市出身であり、「震災後は何か復興のために役に立ちたい。」と漠然と考えていた矢先の出向依頼でしたので、メールが来たその日に出向希望のメールを返信しました。
 家庭医診療科の原澤慶太郎医師と作業療法士(以下OT)の大瀬律子氏と理学療法士(以下PT)の私の3名が11月から出向することに決定しました。当然、放射能問題を意識しなかったかというと嘘になりますが、以前亀田総合病院で研修医として勤務していた坪倉医師(現東京大学大学院)による南相馬市立総合病院での被爆状況調査の講演会を聴く機会があり、とりあえず安心して旅立つことが出来ました。

 震災前の南相馬市全体のリハビリスタッフは54名(原町区27、小高区23、鹿島区4)でしたが、震災後は、7名(原町区4、小高区は警戒区域で0、鹿島区3)に減少しました。出向先である南相馬市立総合病院のリハビリスタッフも、震災前は12名(PT6、OT4、ST2)勤務していましたが、震災後には3名(PT3、OT0、ST0)にまで減少しました。
 震災後、「緊急時避難準備区域」で入院制限や外来をストップしていたため、少ないリハスタッフでもなんとか院内でのリハビリは可能だったそうです。しかし、この「緊急時避難準備区域」が9月末に解除されると、徐々に入院患者が増え始めました。
 10月には100人を超え、毎日の新患患者数が増加し、セラピスト一人あたりで担当する患者数が20人を超え始めてきたために、次第に各担当患者に毎日リハビリを提供することができなくなっていました。
 私たちの出向以前は、担当患者が多い時で25人となり、18時近くまで入院患者のリハビリを行い、それ以降、カルテ記載や計画書の作成といった事務作業を実施していたため、毎日時間外勤務と休日返上の繰り返しだったそうです。
 この時期を振り返り、「職員がいつ増えるか分からない状況で患者が増え続け、ゴールが見えないことが一番つらかった。」と南相馬市立総合病院の小野田リハビリ主任がおっしゃっていました。

 私たちの出向は、このような状況下での現場スタッフの負担を少しでも減らすこと、復興に向けリハビリ部門の収益を上げていくことを目的に派遣されました。私たちが出向した時は、PT室には震災直後から行われている全体集会用のソファーが並べられてあり、治療スペースが制限されていました。
 OT室は地震の影響で一部倒壊していたため、物置状態となっていました。出向直後の最初の仕事は、PT室を整理し診療スペースを広げること、PT室の脇に仮のOTスペースを作り、診療用具の準備をすることでした。その後のリハビリ仕事内容は、午前中は外来診療、午後は入院患者診療です。
 「震災前は元気だったのに、震災後に避難場所を7、8箇所転々としているうちに具合が悪くなってきた。」「除染作業で屋根に上っていてそこから転落した。」など、入院患者の多くは震災を契機に体調を崩したり、怪我や事故で入院している方が多いことに驚かされています。さらに最近になって、応急仮設住宅に住んでいる方々が、脳血管疾患で入院しリハビリを行う方が増えている状況です。

 私自身が実際に勤務して大変だなと感じていることは、入院患者様の転帰先がないことです。老人保健施設などの後方施設が津波で倒壊したり、医師などの医療スタッフ自身が避難のために診療が再開できない施設が増えたことによります。このままでは病院機能がパンクするのではないかと危惧しています。
 今回出向者が増えたことでセラピスト一人の担当患者が一日平均14〜5人と少なくなり、オーバーワークが若干ですが解消されてきました。患者様一人にかけられる時間が増えたため、これまでリハビリ頻度を減らして実施していましたが、現在は1単位(20分程度/日)ではありますが、ほぼ毎日関わることができるようになりました。
 OTの介入により、手の外科術後患者や脳血管疾患患者の上肢機能練習、ADL練習とこれまでOT不在で実施できなかったリハビリも可能となりました。施設基準が脳血管IIIから脳血管IIとなったことで収入が約2倍に増収しました。12月からは霧島記念病院より、言語聴覚士(以下ST)の大山佳代氏が3か月間出向しており、嚥下練習・言語療法も可能となりました。

 私達の出向前の2011年9月20日より、広島大学大学院からリハビリボランティアの継続的支援が行われています。毎週1〜3名のPT、OTが全国各地の病院から派遣され、2012年1月20日現在、全21施設、延べ28名が派遣されました。ボランティアの介入により、患者様一人にかける時間が増え、患者満足度やADL改善に貢献していると思います。
 収益の面でも、震災後スタッフの減少で施設基準が脳血管I(1単位235点)から脳血管III(1単位100点)に下がり、大幅な減収となっていました。復興に向けてリハビリ部門でも収益を維持していくためには、まず施設基準脳血管IIIから脳血管II(1単位180点)に上げることが必要でした。そのためには、4名(PT3、OT1)が必要でありPTのみならずOTの配置が必要不可欠となります。

 2011年11月の時点では、病床120床に対し、セラピスト5名(PT3、OT1、ST1)とまだまだスタッフが不足している状況です。12月より南相馬市立総合病院リハビリ職員新規採用募集がようやく動き出しました。しかし、締め切りを1月25日から31日まで延長してはいますが、1月20日付で、PT0名、OT0名、ST1名の募集があるのみです。
 転帰先の少ない現状での南相馬市の医療を支えるためには、病院リハビリの充実だけでは不十分です。自宅へのスムーズな退院が滞ると、ベッドコントロールは困難に陥り、救急医療自体がストップしかねません。その打開策の一つとして、訪問リハビリを積極的に活用し、退院後の受け皿を拡大させることが必要と考えます。
 しかし、いずれにしてもリハビリスタッフのマンパワー不足は否めません。亀田総合病院からの出向だけでなく、現地スタッフが増えることを切望します。

今後の支援計画

 12月に原澤医師が行った仮設住宅の予防接種事業にボランティアスタッフとして参加した際に、震災後は、運動不足、活動量低下をきたしている住民を目の当たりにしました。「震災前は田や畑に行っていたのに、放射能の影響で何もできなくなった。」との声を多く耳にしました。高齢者は環境適応が難しく、仮設住宅内で新たなコミュニティーを作ることは困難な場合が多いといわれています。
 そこで、仮設住宅の方々の体力低下予防を目的とした運動指導を計画しています。はじめに2012年春に生活不活発病を改善する目的で体力測定会(「てんとう虫テスト」)を予定しています。その後、定期的な運動指導などのフォローアップを企画しています。我々の働きかけが運動するきっかけとなり、仮設住宅という環境の中でも体力低下予防に繋がっていければ幸いと思っています。





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