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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
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週刊がん もっといい日
2012年Vol.295
4月19日更新


Vol.295の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ
●クローズ・アップ
財団法人ときわ会常磐病院でのホールボディカウンタ導入〜安心安全ないわき市の復興をめざして〜
財団法人ときわ会 常磐病院放射線部 内田 雄己
(2012年4月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会発行 http://medg.jp)


●セミナー・イベントのお知らせ

12年4月5日更新内容 全記事はこちら

アメリカを視察して医療制度と保険の仕組みを学びました

 4月8日から14日までアメリカ(ロサンゼルスとラスベガス)に行きました。ご一緒したのは訪問診療に携わる医師、在宅ケア分野で活躍する薬剤師、薬局に無菌室設備を普及する建築士といったメンバーですが、いずれも在宅医療に特化したお仕事をなさっておられる方々です。
 目的は、ロサンゼルスで高齢者対象の回復期センター、日系人が入居するケア付きリタイアメントナーシングホーム、ラスベガスでは携帯酸素や栄養療法関連器具などのホームヘルスケア最新機器・用品展示会「MEDTRADE」とシルバーコミュニティ、そして糖尿病に特化したスペシャリティ・ファーマシー視察など盛りだくさんの内容でした。
 現地では施設や展示会の視察だけでなく、私的保険会社でプランナーとして従事する専門家から、つぶさに医療保険の仕組みを聞きました。国民皆保険下にある日本と、公的保険では65歳以上を対象のメディケアと低所得者層を対象としたメディケイトとの違いはあるものの、共通していることは、医療保険は疾病に悩む患者のためにあることです。
 同スタッフからは、オバマ大統領が進めている国民皆保険制度の思惑は、日本のような公的保険ではなく、すべての国民へ私的保険に加入させることにあるようです。国民皆保険といえば日本が他国に追随させないほど、国民が望む医療を受ける機会均等な制度ですが、アメリカの場合は、「私的保険」という点に大きな隔たりがあると思いました。
 盲腸を手術すれば数百万円かかる治療費は、患者がいったん負担して領収書を私的保険会社に決められた割合の医療費を支払い、後日、保険会社から医療費が戻ってくる仕組みです。
 病院から処方箋を発行され街のドラッグストアに持参した場合、保険加入の有無の確認があります。その患者さんが、一体どのような保険に加入しているのかが、患者との最初のやり取りです。もし患者が公的保険の対象ではない以外は、私的保険へ加入していなければ医療費の回収が出来なくなるからです。
 日本人でロサンゼルス在住の、私たちに保険の話をしてくださった保険会社のスタッフは、むろん勤務先の会社が提携した保険会社に何らかの加入をしていて、治療の内容に応じて医療費が支払われますが、スタッフがかかった病気に対しては、会社が加入した保険の対象外であったために、数十万円の医療費を自己負担することになったそうです。
 専門家でさえ、このような状態ですから、日本の国民皆保険制度を改めて振り返ると、「日本で生活していてよかった」となるかもしれません。日本から離れた地で日本を見ると、国民皆保険制度のありがたさが、ひしひしと分かってきたように思えます。
 ただ国民皆保険下だからといって、何でもかんでも病院やクリニックにかかれば国民医療費は、さらに高騰します。軽い風邪や胃痛、ケガをした場合、薬局やドラッグストアで薬剤師のカウンセリングを受けるセルフメディケーションを取り入れる必要があるでしょう。アメリカの医療制度を学ぶ機会に、こんなことを思いました。

 さて今週もまた、皆様にとって「もっといい日」でありますように・・・。

『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道





☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.295☆☆☆


クローズ・アップ

財団法人ときわ会常磐病院でのホールボディカウンタ導入
〜安心安全ないわき市の復興をめざして〜

財団法人ときわ会 常磐病院放射線部 内田 雄己

(2012年4月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会発行 http://medg.jp


 財団法人ときわ会常磐病院では、平成24年4月14日よりホールボディカウンタによる「内部被ばく検診」を開始いたしました。まずは小児から未成年(4歳から19歳)を対象に検査を行い、順次、成人も対象に測定を行っていきたいと考えています。機種は「FASTSCAN:CANBERRA社製」です。ホールボディカウンタを稼働させるにあたり、本年1月より「ホールボディカウンタプロジェクト」を立ち上げ、準備を進めてきました。
その過程で、さまざまな方と出会い、そしてご指導ご協力をいただくことによって、無事稼働にこぎつけることができました。この場をお借りして、感謝申し上げたいと思います。

●東京大学医科学研究所 上昌広教授、南相馬市立総合病院 坪倉正治先生との出会い
 福島県いわき市では、昨年の東日本大震災に続き福島第一原発事故の発生によって、断水やスタッフ、ガソリン、医療物資の不足のため透析の継続が困難となりました。その際に、透析患者の避難先や移動手段の確保に尽力していただいたのが、上教授でした。
http://medg.jp/mt/2012/02/vol404.html
 透析患者移送プロジェクト終了後も様々な形で、いわき市の医療復興に関しご心配いただき、診療のご支援をしていただいています。そうした交流の中で、いわき市でも内部被ばく検診、ホールボディカウンタの導入の必要性のお話がでて、南相馬市立総合病院の坪倉正治先生をご紹介していただくこととなりました。

●ホールボディカウンタ講演会開催とホールボディカウンタプロジェクトの立ち上げ
 上教授、坪倉先生をお招きして「内部被ばくおよびホールボディカウンタ」の職員向け講演会を開催しました。坪倉先生より南相馬市の現状と測定結果からの考察をお聞きし、内部被ばくの現状や対策について知ることができました。
放射線被ばくに関しては、メディアによる様々な情報が錯綜しています。数ある情報の中から、確かな情報を得るのは至難の業であると思います。しかしこの勉強会を通し、職員は放射線被ばくに対する正確な情報・知識を得ることができ、必要以上に不安になることはないと感じたようです。これをきっかけに当会でもホールボディカウンタ導入の機運が高まり、「ホールボディカウンタプロジェクト」が立ち上げられました。

●南相馬市立総合病院との交流
坪倉先生のご紹介をきっかけに、福島県で先陣を切って内部被ばく測定を行っている「南相馬市立総合病院」との交流が実現しました。当地へ当院スタッフが可能な限りうかがい、ホールボディカウンタ運用のノウハウを教えていただきました。
当初、当院では電話による予約を考えていましたが、南相馬市立総合病院では、導入直後は予約や問い合わせの電話が殺到し、電話回線がパンクし救急隊からの要請も受けられない程であったことをお聞きしました。
そのためFAXやネットでの予約に切り替えることとしました。また、検査の流れや問診の内容、データ解析などの細かな運用方法をお聞きすることができました。坪倉先生をはじめ、南相馬市立総合病院放射線科の皆様には、御礼申し上げたいと思います。

●谷本哲也先生、森甚一先生、関谷剛先生との出会い
 今後、当院で「放射線相談外来」を御担当くださる先生方です。南相馬市立総合病院より、市民の皆さまは測定結果より、その値が安心安全なものなのか、またこれからの生活でどのような対策が有効かなどの情報を知りたがっていることをお聞きしました。
当院でもホールボディカウンタを導入するからには、結果をお知らせするだけでは不完全で、個々の皆様に直接相談に乗ってあげられる仕組みを作ることが急務であると考えました。そのため「放射線相談外来」を立ち上げたいと考えましたが、当院にはその専門家が残念ながらいませんでした。
そこで上教授に相談したところ、血液内科が御専門の谷本先生をご紹介いただき、また谷本先生より森先生、関谷先生をご紹介いただくことができました。人と人との繋がりはすごいもので、当初、実施も危ぶまれた「放射線相談外来」があっという間に出来上がってしまいました。これには、ただただ驚くばかりで、人との繋がりの大切さを実感しました。4月20日より、「放射線相談外来」を開始する予定です。

●いわき湯本温泉 「こいと旅館」様からのご支援
 ホールボディカウンタでの内部被ばく測定では、衣服に付いたセシウムの影響を最小限に抑えるために検査着への更衣が必要となります。当院でも、子供用、大人用の検査着を注文しましたが、子供用の検査着の納期が4月に間に合わないと業者から連絡がありました。
4月の検査開始に向け各方面に相談していたところ、当院健診業務に宿泊先としてご協力いただいている「こいと旅館」の社長より、「現在は子供用の浴衣は使用しておりませんので、どうぞお使いください」の温かい一言をいただきました。
しかも、大・中・小とサイズ別に50着ずつ、計150着もの浴衣をお貸しいただけました。「こいと旅館」の社長をはじめご協力いただいたスタッフの皆様には大変感謝しております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

●人との出会いは未知数
 ホールボディカウンタプロジェクトを通して、「人との出会い、繋がりの大切さ」ということを切に実感させられました。一人の人間との出会いから、さらに次なる出会いが生まれ、繋がっていく。当たり前のことですが、温かさと奥深さを感じました。これまでの人との出会いに感謝し、これからの出会いを大切にしたいと心から思いました。 
 今回スタートする常磐病院での内部被ばく検診の対象者は、検査時の年齢が4歳から19歳といたしました。これからの「いわき市」、「福島」、「日本」を担っていく子供たちを大切にしたいと考え、若い方を優先で検査することにしました。
対象年齢は、内部被ばく測定を行っている多くの施設では、震災時の年齢で4歳から18歳というのが一般的ですが、それでは4歳未満のお子さんは、今後測定できないことになります。内部被ばくの心配は、年齢に関係ありません。また現在も各種放射性物質がいわき市内に存在し、これからも常に被ばくする危険性があるため、出来る限り多くの子供たちを対象に測定する必要性があると考えました。
 まずは子供たちを優先してのスタートになりますが、今後、成人へと対象者の幅を広げることを予定しています。特に、外で作業をし、ちりやほこりを吸入しやすい環境でお仕事をされている方々などを対象にしたいと思っています。
内部被ばくという見えない恐怖に対し、現状を知ってもらい、その後のフォローも「放射線相談外来」という形で実施していきたいと考えています。当院でこれから実施していく「内部被ばく検診」が多くの方に安心を提供し、「いわき市・福島の復興」の一助になれば、これ以上の喜びはありません。





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