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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
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週刊がん もっといい日
2012年Vol.297
5月10日更新


Vol.297の目次 『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道からのメッセージ
●治療最前線
的確な痛みの把握と安全性の高い疼痛管理で
理想的なターミナルケアの姿を追求する――
東京厚生年金病院(東京都新宿区)緩和ケア科部長 川畑正博医師


●セミナー・イベントのお知らせ

12年4月26日更新内容 全記事はこちら

女性たちが脳の中から美しくなる77の秘密を公開した書『脳内美人』の著者
ヒサヨ・グレイス・オースチンさん(医学博士)が来日されました

 昨日(5月9日)の夕刻、アメリカの人気テレビ番組「Dr.Graceの幸せトーク」に出演中のヒサヨ・グレイス・オースチンさん(医学博士)が、自著『脳内美人〜脳の中から美しくなる77の秘密』(青月社発行・キャリイ社発売:四六判・本文192頁・本体価格1300円+税)の発売を契機に来日されました。
「脳内美人は生まれつきではありません。あなたの脳から生まれるのです。脳に良い習慣を取り入れて、いくつになっても、良い方向へ変えていくことも可能なのです」(ヒサヨ・グレイス・オースチンさん)
 ヒサヨさんの、これまでの経験から、脳に響く幸せになる生き方、体に良い生き方、美しい肌をつくる生き方に焦点を当てたのが同書。「女性だからこそ与えられた素晴らしい力を発揮するためにお役に立てれば幸いです」と、世の女性たちへの呼びかけで、美しくなるための物語が始まります。
「脳内美人は誰でもなれるのです。自分を大事にし、人生に前向きで、楽しむ心を忘れない、そんな脳の習慣があなたを幸福にします」「どんな人でも失敗はありますが、最小の損害で済むように最大の処置をするのがStrret Smartであり、脳内美人だと思います」
「小さなことでもきづいてすぐに行動できる人、回りに気を配れる人は、トラブルがおきても賢明な判断が出来ます」「性格美人は脳内美人の鏡〜幸せが集まってくる」「人任せではなく自分の力で人生を切り開く・・・成功する脳は自力本願」・・・等々。書を紐解くうちに知らず知らずに自分が美しくなるために、今、何をしなければならないか明確になってきます。
“脳から生まれ変わって美と幸せを引き寄せる秘密のメソッド”が満載の『脳内美人』。脳が変わればココロとカラダはみるみる美しくなる77の秘密が、同書で公開しています。
 実はヒサヨ・グレイス・オースチンさんとは、古くからの友人で、25年ぶりの再会でした。共立薬科大学(現在の慶應義塾大学薬学部)を卒業後、同医学部の大学院生となって医学を学び、米国大学院のドクターコースを終了。現在、HBA(Health&Beauty Associate International)代表。専門は薬学、健康科学、予防医学、アンチエージング医学。数多くの著書があり日米で講演活動中です。
 7月11日には、出版社が主催する出版記念講演とパーティに出席するため再来日しますので、直接、ヒサヨ・グレイス・オースチンさんから「脳内美人〜脳の中から美しくなる77の秘密」をお聞きください。参加する場合は、E-mail(akiyama@seigetsusha.co.jp )でどうぞ。

 さて今週もまた、皆様にとって「もっといい日」でありますように・・・。

『週刊がん もっといい日』編集部 山本武道





☆☆☆「週刊がん もっといい日」VOL.297☆☆☆


治療最前線

的確な痛みの把握と安全性の高い疼痛管理で
理想的なターミナルケアの姿を追求する――

東京厚生年金病院(東京都新宿区)緩和ケア科部長 川畑正博医師

川畑正博医師

1953年鹿児島県生まれ。東京大学工学部から同大学院電子工学専攻修士課程、同医学部を経て同大学病院第一内科入局。米・ヴァンダービルト大学に留学した他、癌研究会附属癌研究所、東京厚生年金病院内科に勤務し、2003年から現職。医学博士。日本緩和医療学会暫定指導医。

■財団法人厚生年金事業振興団東京厚生年金病院
東京都新宿区津久戸町5−1
電話03-3269-8111


 全国的に不足状態が指摘されている緩和ケア病棟。都心といえども状況は同じで、現在「山手線の内側」で緩和ケア病棟を持っている医療機関は四施設(NTT東日本関東病院、東京厚生年金病院、東京都立駒込病院、日本赤十字社医療センター)だけだ。その一つ、東京厚生年金病院の緩和ケア科部長を務める川畑正博医師は、豊富な知識と経験、そして温厚な人柄もあって、多くの医療関係者からリスペクトされる人物だ。理想的な緩和ケアの在り方を追求し、日々努力を重ねる川畑医師に話を聞いた。

“コミュニケーション重視”を追い求め
工学部から医学部、そして緩和ケアへ


 医師としてのデビューは決して早くはない。エンジニアをめざして東大工学部に進み、その後大学院で修士の学位まで取得している。しかし、「人と接する仕事がしたい」との思いから一念発起で医学部に入り直した苦労人だ。その苦労が、人を労わる気持ちを育み、いま患者の気持ちを和ませている。

 最初から緩和ケアを専攻していたわけではない。そもそも当時の日本の臨床分野には、終末期医療に特化したセクションはなかった。消化器内科医として、特に肝臓疾患の診断と治療の分野で実績を重ねてきた川畑医師だが、のちに勤務する現在の病院に緩和ケア病棟が新設されるという話を聞いて、自ら希望して現在のポジションに就いた。

 自身の母をがんで亡くした経験を持つ。病床で苦しむ母に、あとで思えば不必要な検査をさせたことを悔やむ気持ちから、「緩和ケアという医療技術がある現在、せめて人生の最期は安らかに過ごしてほしい」という思いに突き動かされての異動だ。

 「緩和ケア病棟に来た当初は、次々に患者さんが亡くなっていくことに対して私自身が精神的にマイってしまうこともありました。ただ、多くの患者さんを看取っていく中で、死を自然なものとして受け止めることができるようになってきた。今では、苦しむことなく安らかに人生を全うされる患者さんの最期に立ち会えると、この仕事を選んでよかったとしみじみ思いますね」

 最期を託した医師に、そう思って看取られる患者も幸せなはずだ。

多角的な評価法を駆使して
より確実な“痛み”の評価へ


 この欄でも繰り返し伝えてきたが、がん性疼痛のコントロールをする上で最も高度な技術を必要とするのが、患者の痛みを的確に把握、それに見合った投薬をすることだ。痛みに対して我慢強い患者もいれば、僅かな痛みや違和感を実際以上に拡大して表現する人もいる。

 「痛みの評価には、痛みの性質を見る“質的評価”と、鎮痛薬が効いているかどうかを見る“量的評価”の二つがあります。まずは質的評価から痛みの原因を推察し、原因に見合った薬を選んで投与しますが、一方で量的評価を誤ると効果的な疼痛管理ができなくなる。これには視覚的アナログスケール(VAS)、言語表現評価尺度(VRS)、数値評価尺度(NRS)、表情評価尺度(FS)などの評価法があり、これらを状況に応じて複合的に勘案しながらより実態に近い痛みの質と量を把握していくことになります。中でもNRS(まったく痛みのない0点から耐え難い激痛の10点までの十段階の中で、現在の痛みは何点に相当するのかを患者自身に示してもらう評価法)は、特別な道具を使わずにベッドサイドで簡単にでき、また個人差を気にせずに評価できることもあって便利です」

 こうした評価結果から導き出された薬剤の選択と投与量によって、現在ではがん性疼痛の大半を安全かつ確実にコントロールすることが可能になっている。「苦痛だけの終末期」は、もはや過去のものとなりつつあるのだ。

ターミナルケアはチーム医療――
総合力を結集して安らかな看取りを実現


 ターミナルの患者の苦痛は、身体的痛みだけではない。近付く死への恐怖から、精神的苦痛に苛まれる人も多く、緩和ケア医には慎重なメンタルケア能力が求められる。

 「傾聴が最も重要な位置づけになりますが、その際に話の内容もさることながら、患者さんの“感情”に焦点を当てて耳を傾けることが大切だと思っています。話したいことを確認し、時には話を促す言葉をかけるなどして、自分の気持ちを話すことで楽になれるようサポートしていきます。こちらからの質問も、YESかNOかで答えるものではなく、“開かれた質問”をすることで患者さんの心の中にある“微妙な気持ち”や“繊細な動き”を汲み取るきっかけができる。また、話しかける際には単に言葉だけに注意するのではなく、自分の表情や声のトーンなどにも意識を向けることも大切です。そうしながら様々な情報を元に患者さんに共感し、ともに人生を振り返りながら意味付けをしていく――」

 文字で書くのは簡単だが、誰にでもできることではない。知識と経験、そして何より患者に寄り添おうとする大きな気持ちが、極限状態にあるはずの患者に安らぎを与えるのだ。

 「私たち医師も努力していますが、看護師さんの役割が非常に大きい。医師には言えないことでも看護師さんになら話せるということはあるものです。プロ意識を持って患者に寄り添ってくれる彼女たちに助けられることも多い。こうした医療者同士の職種間の垣根を越えたチームワークの良さは、厚生年金病院の伝統でもあり、最大の“ウリ”と言えるのかもしれません」

 高い専門性とチームとしての総合力を結集して、がん患者のあらゆる苦痛の除去に取り組む。理想的なターミナルケアを考えるうえで、川畑医師の挑戦は患者にとっても医療界にとっても参考になるはずだ。





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